この教材を手に取っていただいた方は、すでにハタフクのことをある程度理解されている方が多いかと思います。
YouTubeチャンネルで概要等々の解説はしているので、そのあたりの説明は最小限にしておきますね。
ハタフクの概要と全体解説に関しては、動画をご覧ください(^_^)
https://youtu.be/4gmQIxI2jZc
ハタフクの語源
ハタフクの語源は
傍を福にする
『情けは人の為ならず』
このことわざには続きがあるのをご存知ですか?
情けは人の為ならず
巡り巡って己(おの)が為
情を人にかけておけば巡り巡って自分によい報いが来るということ[大辞林]
「情けをかけることはかえってその人のためにならない」という解釈、実は誤り。
他者の価値観に基づき、それぞれがされて嬉しいこと、喜ぶことを届ける。
自分の周りのひとたちを幸せにし、巡り巡って自分が楽に、幸せになるコミュニケーションツール。
ハタフクという名前にも、そんな想いが込められています。
人の価値観
人の価値観は
【達成】物事を前に進め、達成させる力
【調和】自分を律し、人や場と調和する力
【愛情】感情を表現し、人を愛し思いやる力
【探究】物事を理解し、観察分析する力
という4つのエネルギーから成り立っており、これらをそれぞれ
タカ・ハト・クジャク・フクロウ
と4種類の鳥にたとえたもの、これがハタフクです。
人によって多い少ないの差はありますが、誰でもこの根源的な4つのエネルギーをすべて持ち合わせ、作用し合って価値観を作り上げています。
また『他者』や『その場』とのぶつかりで強く出たり弱まったりと変化をし、そして成長していきます。
・ひとは4つのエネルギーをすべて持っている
・時と場合によって変化する
ハタフクの大前提となる非常に重要な概念です。
またハタフクは、その人の良し悪しを決めるわけではなく、能力の高い低いを比べるというものでもありません。
ハタフクの特徴
ハタフクの大きな特徴は
見るだけで相手の価値観が分かるようになる
血液型も生年月日も心理テストも必要なく、見るだけで相手の喜ぶ事や、逆に嫌がる事が解るようになります。
占星術などで知ることのできる、人が持って生まれたバイオリズムや特徴、先天的な強みを知ることは、生きる指針としても重要な要素となるでしょう。
しかし、初めて会った相手にいきなり血液型や生年月日って訊きづらいですよね。
オープンな人もいるけれど、嫌がる人もいる。
相手の情報を事前に必要とするタイプの性格診断ツールは、コミュニケーションへの転用は難しいわけです。
ハタフクは相手を見ただけで、もしくは数分間話をした中で、価値観を分析する。
そして、この人にはこういう伝え方・リアクションをしたほうが良いってことがわかっていき、そこにコミュニケーションを調整していく。
ではなぜ相手の価値観が分かるようになるのか。
例えば、あなたがいま着ている服…
「なぜその服なのですか?」
と訊かれたら、きっとそれが良いと思って選んでいるはず。
カッコ良いと思って着ているかもしれない
着る服なんて何だって良いと考えテキトーかもしれない
選ぶ服装に限らず髪型や、アクセサリー、メイク、好きな食べ物、映画、アーティスト、考え方や喋り方、喋る内容もスピードも大きさも…
すべては人それぞれが持つ、特有の価値観。
つまり価値観とは『その人そのもの』なのです。
ハタフクは相手を『視る』ことで価値観を分析し、喜ぶ事や嫌がることにアタリをつけます。
(『視る』には「注意して見る」という意味があり、目で見ることだけでなく五感で『感じる』という意味も含まれる)。
あなたもこれまで、相対した相手の雰囲気を話しかける前からなんとなく感じ取っていたはず。
これを意識的に、理論的に分解・分類して、そこから逆算し、その人がどんな事で喜ぶか、逆に嫌がるかを分析できるようにする。
誰もがすでに持っている『人間観察力』に磨きをかけていき、相手のしてほしいことをいち早く感じ取り提供してあげる。
これがハタフクの根源です。
もうひとつの特徴は
自分自身を知ることができる
あなたの思考傾向と、それがどのように周りへ影響を及ぼしているかを理解できるようになります。
例えば、いま現在、上司や先輩として指導をする立場にいたとして、部下や後輩はどんな方たちですか?
もしもおびえられ、心を開いてくれないのだとしたら、それはあなたが周りに及ぼしている影響の答えです。
「あいつはバカだ、あいつは使えない」
と、相手に原因を押し付けてしまえば楽でしょう。
しかしそれでは根本的な解決はいつまで経ってもしません。
立場が変わり職場が変わり周囲の人間が変わっても、きっと同じような人たちが集まります。
職場の人間関係に限らず
なぜか自分の周りには、怒りんぼがたくさんいる
なぜか自分の周りには、悲しい出来事が多い
そんな風に感じたら、それは自分自身の心が作り出してしまっているかも。
ちょっとスピリチュアルな言い方をすると、世界のすべては自分の心の中で起きています。
コロナは危険、怖い、会社もつぶれてこの世の終わりだ…
と考えれば、恐怖と不幸の対象でしょう。
しかし、コロナ渦でも売り上げを大きく上げた会社もあり、テレワークに移行したことで嫌な上司と顔を合わせることも、満員電車に詰め込まれ出社することもなくなりストレスが軽減した、家族との時間が増え笑顔が増えた、という人も大勢います。
会社がピンチになったことで独立に踏み切れた、起業し自分の意外な才能を開花させた人も、私の周りには何人もいます。
ようは物事のどこを見て、どう受け取るか次第。
自分を攻撃しているのは自分の価値観自身です。
同じように、自分を助けてくれるのも、自分の価値観。
自分はどういった価値観を持っていて、人と、世界と、どういった関わり方をしているのか。
ハタフクを知る事は、自分を知る事にもつながります。
ハタフクのメリット
ハタフクを習得すると、どんな良いことが起こるか。
異なる意見をひとつに統合し、より良いものを生み出せる
イエスマンしかいないワンマン会社と、活発的な意見を出し合える会社、どちらの会社が発展するかと訊かれたら、答えは明白でしょう。
『活発的な意見を出し合える』ということの本質は、意見を出しても認め、理解され、検討してもらえる環境があるということ。
つまり、お互いがお互いの価値観を認め合えるという土壌ができていてこそ。
それぞれの違いを理解し協力することで、より発展することができます。
得意分野を最大限に活かせるようになる
例えば
自分はリーダーシップを発揮できる
自分はアイデアを提供することができる
自分はひとつのことを掘り下げて考える事ができる
自分はひとつのことを最後までやり続ける実直さをもっている
ひとにはそれぞれ、得意分野があります。
その得意分野をそれぞれが最大限活かせるようになれば、組織としてとんでもないチカラを発揮できるようになる。
価値観は、違う事にこそ価値があるのです。
相手に合わせて行動を微調整できるようになる
相手の価値観によって、響く言葉も、納得するポイントも、全然違います。
今までは商品を販売する時、自分の価値観から発するプレゼン一本の武器だけしかもっていない状態だった。
これが有効なお客さんには価値を感じてもらい、買ってもらえる。
しかし有効でないお客さんには価値を分かってもらえず、買ってもらえず、「あの客は価値も分からないダメな客」となっていた。
だけど相手の価値観を分析することができるようになれば、それぞれに響く言葉、納得するポイントを選んで使えるようになります。
相手によって武器をカスタマイズすることができるようになる。
『売りたい商品』を、『付き合いたいあの人』、『息子や娘』、『生徒』に置き換えても、全部同じ。
『過去と他人は変えられない』
と言うけれど、自分のアクションを変えることで、相手のリアクションを変えることは可能なのです。
ハタフクは簡単な理論
特徴のところでもお話しした通り、ハタフクの理屈自体は非常にシンプルで簡単です。
どんなものでも、入口は簡単に越したことはないと私は考えています。
難解な理屈でアタマの中が「???」となったり、逆に理論理屈が根拠に乏しく曖昧であやふやすぎたり、覚える必要のあることや準備物が膨大にあったりしては、まず手に取ってみようという気になれない。
初心者に優しくなければ、それは実用的ではないのです。
ただ、入口は簡単でも、ハタフクの奥深さと汎用性・応用性は無限大。
ありとあらゆる人間関係の改善に活用できます。
「人間の悩みは全て対人関係の悩みである」
とは、『自己啓発の父』と呼ばれ、ベストセラー『嫌われる勇気』の著者アルフレッド・アドラーの言葉。
ハタフクを使いこなせるようになればなるほど、人生そのものの悩みは軽減していきます。
ただし、いくら簡単すぐに理解できるものといっても、使いこなせるようにならなければ、それは単なる机上の空論。
絵に描いた餅でしかありません。
なので、とにかく、使ってください。
使って使って、使いまくってください。
ルールブックを読んだだけでは野球が上手くならないように
動画を観ただけでは泳げるようにはならないように
ハタフクも、理屈を理解し、単語を覚え、方法論を知っただけでは、何にもなりません。
ここでも重要になってくるのが、使いやすさ。
よくある心理テストや占星術などのように、相手の情報をヒアリングする必要がありません。
頭の中で質問をし、頭の中で分析し、頭の中で特徴を照らし合わせる。
それから実際相手へのアクションをテストしてみて、どうも反応が良くない、間違っていたならば、シレっと微調整していけばいい。
恥かくこともありません。
実践のしやすさも、ハタフクの大きなアドバンテージです。
次の章からいよいよハタフクの解説に入ります。
簡単な部分から入り、具体例やワークを通し深い理解に進んでいきましょう。