単語の意味はひとつではない
言葉は、ハタフクごとでそれぞれ違う意味を持ちます。
発信者と受信者で違う意味の単語を使っていたら、それはもはや別の国の言語。
それぞれがもつ言葉の解釈を知れば、ミスコミュニケーションも少なくなり、すれ違いも減ってきます。
「がんばって」
相手の力を最大限引き出すためには、相手のやる気エンジンにガソリンを入れてあげる必要があります。
しかしやっかいなことに、そのガソリンは人によってまちまち。
下手したら、エンジンを点火させるガソリンどころか、故障させてしまう塩水かも。
それぞれの価値観に則したコミュニケーションをとれるかで、相手のパフォーマンスは大きく変わってきます。
役割を与えられた相手に対し「がんばって」「期待しているよ」と声をかけたとき、相手はどう受け取るのか見ていきましょう。
【タカ】
「期待されている!」と感じ、やる気を出す。
タカのエネルギーは達成。
勝ち負けを重視しています。
比較と成果にスポットライトを当てた評価が効果的。
「この営業目標を達成できるのは〇〇さんだけだと思ってる、頑張って!」
「ライバル店に勝つにはきみの力が必要だ、期待しているよ」
タカにとって期待をかける言葉はまさにガソリン。
ストレートにどんどんかけてあげましょう。
【ハト】
「実力以上を求められている…」と委縮してしまう。
ハトのエネルギーは調和。
チームの調和をはかり、トラブルが起こらないよう全体への配慮を欠かさない。
そのため、自分一人が目立つことで周囲から妬まれたり、全体の均衡が崩れるのを嫌がります。
指示されたことは着実にこなす、そのかわり指示されたこと以上の裁量が必要な部分には手をつけたくありません。
「頼まれたところまではやるけれど、もしかしてそれ以上を期待されている…?」
と、かけられた期待にプレッシャーを感じてしまいます。
そちらに意識をもっていかれてしまい、下手したらパフォーマンスが落ちてしまうことも。
「〇〇さんのサポートにはいつも助けられてるよ、(これからも期待しているね)」
「△△をこんなふうに、いつまでにやってほしい、(頑張ってね)」
「頑張って、期待している」というワードはハトにとっては強いので、心の中だけで付け加えるに留め、『そのサポート能力に期待している』というニュアンスで、さらに期待の理由と範囲を添えて伝えましょう。
【フクロウ】
「社交辞令でしょ」と受け取る。
フクロウのエネルギーは探究。
ただ単に「頑張って」「期待してる」と言われても、「私に何を期待しているの?うわべだけの社交辞令なのでは?」と、言葉に意味を求めひねくれて受け取られることも。
「△△して(こだわって)くれたおかげで売り上げが150%伸びた、次も頑張ってほしい」
「〇〇さんのセンスある工夫にはいつも期待できる」
フクロウは、自身が納得できるかが重要。
追求しこだわってきた部分を認め、そこに期待をかけましょう。
【クジャク】
「ありがとう!」と声をかけられたこと自体が嬉しい
クジャクのエネルギーは愛情。
彼らにとって『単語の意味』はそこまで重要ではなく、「私だけ特別なんだ!」「私のことを分かってくれてる」と個人的に声をかけてもらえたという特別視と、共感が喜びとなります。
「みんな〇〇さんのことが大好きで応援してるよ♪」
「私も協力するから、一緒に頑張っていこう!」
フクロウが求めるような数値や具体よりも、感情に訴える言葉がクジャクには響きます。
また、「忙しそうにしていたから声をかけなかった」ではなく、むしろ逆にそういう時こそちゃんと声をかけてあげましょう。
ルール
【ハト】
守るもの
ハトにとってのルールは
「社会の秩序と平和を守るために存在するもの」
として、守るべきもの。
他者との取り決め、破ったら相手に多大な迷惑をかけてしまう。
そのためルールや約束には非常に厳格。
自分からは滅多に破らないし、そのため平気で約束を破る人には強い嫌悪感を覚えます。
彼らにとってルールや約束は、強い縛り。
安易に約束事を結ばないであげることと、決めた約束にもしリスケが必要になったとき、約束の時間に遅れてしまいそうなときは、早めな連絡と謝罪を心がけましょう。
【タカ】
やぶるもの
タカにとってルールとは
「既存のルールなんてぶち壊さなけりゃ、新たなイノベーションは生み出せない!」
という信念のもとに、やぶるもの。
約束事も、『先着順』ではなく『重要度』で、優先順位はころころ変わります。
いったん取り交わした約束も安心しないこと。
「あ、ごめん、大事な用事が入ったんでリスケで」
と、あっさり覆されることも。
彼らとの約束は、別の予定が重なりにくいタイミングに入れることを心がけ、重要度を上げておきましょう。
【フクロウ】
無駄なもの
フクロウにとってルールとは
「世界の理であり、塩基配列であり、プログラムコード」
として不変的に厳然と存在する、逆らうだけ無駄なもの。
「型の通りにやれば一定以上のパフォーマンスが出せるし、そういう研究結果が出ているのだから、それに従うほうが合理的じゃない?」
と営業の型やライティングの型、『正解』を求める傾向にあります。
また『無駄なもの』にはもうひとつの意味が。
会社の就業規則などに対する無駄という思考です。
「なんで仕事内容も作業スピードも違うのに、同じ時間同じ場所で業務をスタートさせないといけないの?非効率で無駄なことを」
と、過去からの習慣や惰性の決まり事を嫌う傾向に。
しかし、不平不満があってもそれを変革させようと行動に移さないのはタカと違うところ。
彼らの愚痴には、改革のための宝が眠っているかもしれません。
【クジャク】
自分のもの
クジャクにとってルールとは
「決めたんだから守ってよね!」
と、他者に強要させるもの。
クジャクの判断基準は他人軸、ゆえに他人には約束事を強要させる。
しかし自分自身とのルール、いわゆる『自分ルール』は、ゆるく流動的。
自分の好き嫌い、「やりたい・やりたくない」で、決めたこともコロっと変化します。
ここがハトと決定的に違うところ。
男女間のルール、約束決めは特に注意。
女性は全般的にクジャク気質が強いため、ルールや約束を作りたがります。
相手に対するルールへの信頼は厚く、守らせようとするので、当然、男性は守らなかったら激昂されます。
納得できないもの、守れそうにない約束は、安易に取り決めないようにしましょう。
ちなみに『沖縄時間』と呼ばれる、南国特有のゆったりした時間感覚も、クジャクのエネルギーが強く現れている価値観です。
コミュニケーション
そもそも『コミュニケーション』とは何でしょうか。
最初に『対話』や『意思疎通』とお伝えしましたが、それは定義。
コミュニケーションという言葉に対する概念、感覚、意味付けは、人によって様々です。
【タカ】
自己発信
「私はこういう人間です」、「私はこれをやりたい」、「あなたにはこれをやってほしい」
と意図を明確に伝えるための手段が、タカにとってのコミュニケーション。
仕事においても恋愛においても、相手が自分と同じベクトルを向くようにするための手段。
結論まで最短で向かおうとするため、プロセス無しで話す傾向があります。
【ハト】
役割確認
「自分はどんな役割か」、「相手の意図はなにか」、「なにをするのが適切だろうか」
を確認するための手段が、ハトにとってのコミュニケーション。
相手の意図や気持ちを察し、自分の役割や立ち位置を考えるための手段。
よく聴き、相手にとって適切なリアクションをとってくれるのですが、そこに自分の意志や主張は無い(薄い)ため、なに考えてるかわからないという印象を与えてしまいます。
【クジャク】
感情交流
「ちょっと聞いてよ」、「うんうん分かる分かる」、「それは辛かったね…」
と共感する、してもらうための手段が、クジャクにとってのコミュニケーション。
相手の気持ちを分かり、自分の気持ちを分かってもらうための手段。
相手の気持ちを思いやるためストレートに言えず、もしくは自分の思いや考えがあふれ出してしまい、話がながくなる傾向があります。
【フクロウ】
情報交換
「根拠はなに?」、「本質はなに?」、「それ意味あるの?」
と興味あることを探究するための手段が、フクロウにとってのコミュニケーション。
知識をたくわえ、物事の真理にたどり着くための手段。
感情的な交流は希薄で、恋人や家族、友人にも一定の距離感を置こうとします。
それは「自分のことなど誰も理解できないから」という孤高の感覚、間違った解釈をされるぐらいなら黙っておこうという考えから。
「この人となら分かり合える」と認め心を開いた相手には、途端に誰よりアツく情熱的に語りだすという特徴もあります。
言葉の意味を知ることで、コミュニケーションは激変する
同じ声掛けをしても、Aさんにはこちらの意図通りに伝わったものが、Bさんには真逆に伝わってしまうこともあります。
自分の感覚で
「もっとコミュニケーションとろうぜ!」と接しても、相手からしたら
「とってますけど」となってしまう。
ハタフクももちろん万能ではありません、相手の置かれている状況、環境によっても言葉の意味は変わってきます。
が、タイプごと「解釈の違い」を理解すれば地雷を踏んでしまう確率は激減し、
「響く言葉」を掴んでおくと心をつかみやすくなります。
この章の課題
ご褒美:この課題をクリアしたら…
♪
周りにいる人へ『がんばって』と声をかけたとき、それぞれどんな反応をするか試してみましょう(できれば4タイプそれぞれに声かけるのが望ましい)。
【1人目】
名前:
ハタフク:
反応:
【2人目】
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ハタフク:
反応:
【3人目】
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ハタフク:
反応:
【4人目】
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ハタフク:
反応: