日本人のコミュニケーション下手は環境のせい

『はじめに』の章でもお伝えした通り、年代を問わず6割もの方がコミュニケーションに苦手意識をもっています。

 

さらにコミュニケーションそのものを煩わしいと感じる人は、なんと全体の8割にも及ぶそう。

 

その原因としては、以下の三つが考えらます。

 

・教育環境不足

・経験値不足

・価値観への理解不足

 

順に説明していきましょう。

 

 

 

 

教育環境不足

こちらも『はじめに』の章でお話した通り、日本の教育現場では、コミュニケーションを体系的・実践的に学ぶ機会が非常に少なく、そもそもコミュニケーションスキルを身に着けられません。

 

 

また『教育の問題』というのは、直接のコミュニケーション教育に限らないと考えています。

 

「あれはやっちゃダメこれはやっちゃダメ」という『するな教育』

正解はひとつだけで失敗することはまるで悪であるかのような『正解依存教育』

あらゆる場面で個人差がつかないよう「みんなが同じである」という『同調教育』

 

これらがコミュニケーションにも表れています。

 

 

『空気を読む』や『世間体を考える』などの表現のとおり、日本の日常生活には自己表現や自己主張をする必要性や機会があまりありません。

 

また、失敗してはいけないという風潮が、過去の失敗体験によって周囲の目を気にしすぎたり自己肯定感を低くさせてしまったりして、自己主張できない環境に拍車をかけている。

 

だからコミュニケーションにも唯一絶対の正解を求め、失敗したらこの世の終わりのように落ち込み、そんな恥ずかしい思いをするぐらいなら…と、そもそも行動しない選択を取ってしまう悪循環。

 

外国では『トロッコ問題』

※暴走したトロッコの先に5人の作業員がいる。自分の手元にあるレバーを動かせばレールを変え1人だけの犠牲で済む。さあどうする

のような、各々考えさせる、自分の意見を積極的に発言する教育環境があります。

 

そこでは、合ってる間違ってるというのは重要ではなく、自分の意見をはっきり伝えることが何より大切という価値観。

 

そもそもトロッコ問題に正解などありません。

 

 

そしてこれは、学校に限った話ではありません。

家庭においても過度な愛情不足または過保護な環境で育ったなどの原因から、人との距離が掴めないと悩んでいる人もいます。

 

コミュニケーションをそもそも学ぶ環境、経験をする環境、失敗しても大丈夫だという容認する環境、コミュニケーションスキルを伸ばすための教育という土壌が整っていないのです。

 

 

 

 

経験値不足

現代では1人で楽しめるツールも充実し、外に出なくても楽しめる環境があり、他者とのコミュニケーションの絶対量は圧倒的に減少しました。

SNSも立派なコミュニケーションではあるけれど、微妙な感情の変化、声のトーン、その他喜怒哀楽、なによりリアルのスピード感。

 

情報量の交換という意味においては、リアル対面型のコミュニケーションには遠く及びません。

 

つまり、コミュニケーションスキルを育てる体験、経験、失敗の絶対量が減ってきているのです。

 

 

コミュニケーションはとにかく「量」。

「量」がなければ「質」は絶対に伴いません。

 

これは仕事上の人間関係に限らず、男女間の恋愛や、親子家族間のコミュニケーションも全く同じ。

 

どんどん動き、実践し、失敗を重ねなければ、成長は見込めません。

 

 

 

 

価値観への理解不足

人間の価値観は人によって千差万別。

 

と、アタマでは分かっているつもりでも、結局は自分の価値観を常識として、主観的なコミュニケーションばかり取ってしまいます。

 

価値観はひとそれぞれであり、自分が喜ぶ事と相手が喜ぶ事は必ずしも一致しない。

ここに対する理解が圧倒的に少ないので、悲しいミスコミュニケーションが起きてしまうのです。

 

 

これはよく出す例なのですが

サプライズ、するのもされるのも好きな人もいれば、嫌がる人もいますよね。

 

自分がサプライズ好きだからと言って、相手へのべつまくなしサプライズをしまくったらどうなるでしょう。

そしてもしその相手がサプライズされること、みんなの前で目立つことが嫌いな人であったら…

 

こちらは良かれと思って、相手の喜ぶ姿が見たくて提供しているはずのお祝いが、相手にとって迷惑な行為であったら、それはもうパワハラでありモラハラとなります。

 

 

他にも、食事に多大な時間やお金をかけるひともいれば、

食事なんて単なる栄養補給、ゆっくり食べるなんて時間の無駄、と液体型の完全栄養食を飲むだけで済ませてしまう人もいます。

 

 

仕事に対する価値観、恋愛や結婚に対する価値観、生き方に対する価値観…

価値観は人によって、年齢によって、男女によって、地域によって、時代によって、様々なものがあり移り変わっていくもの。

これを理解せずして、本当の意味で円滑なコミュニケーションをとることなどできるはずがありません。

 

 

本教材でお伝えする『ハタフク』は、この、ひとによって様々な価値観を、見るだけで見抜き、深く理解できるようになるためのツールとなっています。

 

 

 

実はコミュ力に優れた日本人

細かく言えばもっとたくさんありますが、大きく上記の理由から、日本人は諸外国と比べて特にコミュニケーションを苦手としています。

 

しかしそれは、正しくコミュニケーションを学んでこなかったから。

学び、実践し、経験値を積める土壌がなかったから。

 

 

実は日本人の本領は、非常にコミュニケーション能力が高い人種です。

 

その能力とは『察する力』。

 

空気を読み、謙虚さを美徳とする国民性が育んできたものです。

 

 

日本人は諸外国の人たちに比べ圧倒的に、相手の感情の機微、価値観を察する力に長けています。

 

それに対して、正しい処置法を知らないだけ。

自身の中にある秘められた能力を使いこなせていないだけ。

 

なぜ日本人が本当はコミュニケーション能力が高いかの理由は、このあとの章で理解できます。

 

 

日本の義務教育にコミュニケーションが取り入れられなかったのも、もしかしたら諸外国が日本人の強大な能力を恐れたからなんじゃないか…なんて思っています。

 

コミュニケーションが苦手となってしまったのは、敗戦国の宿命だったのかもしれません。

 

 

昔、日本は『look EAST(ルックイースト)』

(1981年マレーシアの首相が提言した、文字通り「東を見よ」、日本を見習いなさいという意味の経済政策)

 

と言われ、手本とされるほどの国でした。

 

日本には、日本の国民性には、世界をけん引する国になるポテンシャルを持っています。

 

正しいコミュニケーションを知り、コミュニケーションを正しく学び使うことができさえすれば、欧米列国にも負けない国力が取り戻せると確信しております。

 

 

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